世界観

続・魔法について

その年も魔法使いたちは雪のちらつく季節に馬車でやってきた。 村の子どもを驚かせたのは、魔法使いの中に少女が紛れていたということだった。 これは大事件と云ってよかった。村に余所の子どもがやってくるというのは絶えて ない椿事であった。 家々の庭先…

魔法について

昭和も一〇年となると記憶も曖昧になるが、七八年頃までは私の郷里の村にも 魔法使いの一座が訪れていた。魔法使いと云っても伊奈の寒村を巡業する程度の 小規模なもので、子どもごころに「この魔法は本式ではない」と思っていた。 村では魔法使いのことを「…

圧縮言語について

圧縮言語というものについて考えています。 いや、こういう言葉が実際にあるのかどうかは知りませんが。 要するに、本来相手に伝えたい言葉をそれよりも少ない語数で伝達する技術についてです。 こういう小噺があります。 ある時、とある若い囚人が古い監獄…