国民年金未納問題

 嗚呼、福祉国家を瓦解させる槌音が聞こえる……
 近代国家は、その権力の拠り所をその構成員たる国民としています。
 年金というのは福祉国家に求められる重要な役割であり、根本業務の
 一つでしょう。それを維持する為の義務を放棄しているということは、
 国民が国家を信頼していないという証左に他なりません。
 とは言え、日本人の不思議さはそれでも国家を無謬のものと考えている
 ということでしょう。義務を負わなくても何とかなると思っているとこ
 ろが、滑稽ですらありますな。
 年金制度が破綻するのと前後して生活保障制度も瓦解するでしょうに。
 ともかくも、物言わぬ国民の上に胡坐をかいてきた社会保険庁にはそろ
 そろ煮え湯の一つでも飲んでもらう必要があるでしょう。
 ただでさえ信用を失墜しているのに、ここでただ徴収を強化するだけと
 いう対応を取ったが最後、社会保険庁の名が肯定的に歴史に書かれる機
 会は永久に喪失されることは間違いありません。
 ……というか、システムややこしすぎ。