刑務所民営化

 どうやら、刑務所の一部業務を民間に委託する計画が動き出したようです。
 私は、これには絶対に反対です。
 コストの削減であるとか、待遇の改善であるとか、米国では実績を挙げているという
 この制度ですが、ある点について全く無視しています。
 つまり、「刑務所に入ることへの嫌悪感」です。
 一般に「臭い飯」「堀の中」と言われる刑務所は、そのイメージから「入りたくない」
 という制動を働かせます。
 しかし、「開かれた刑務所」「御飯の美味しい刑務所」なんていうものが出来れば、
 そこに入ることへの忌避はおろか、積極的に入りたいと言う者まで出るかもしれない
 ではないですか。
 そうして犯罪者と犯罪者予備軍が増加していけばあとは割れ窓理論ではないですが、
 連鎖的に犯罪の輪は拡大してしまうかもしれません。これは由々しき事態です。


 犯罪の制動は法の軽重ではなく、社会的紐帯にこそその要因が含まれていると言い
 ます。社会的紐帯が失われつつある現在、犯罪に対する法は細心の注意を払って
 変革されるべきだと愚考します。