ガンパレードオーケストラレビュー



さて、昨日購入した『ガンパレードオーケストラ 白の章 〜青森ペンギン伝説〜』(以下GPO)に関してレビューらしきものをつらつらと。





ゲームシステム

戦術シミュレーション+日常生活シミュレーションとしての出来は秀逸。この類いのゲームは『高機動幻想ガンパレードマーチ』(以下GPM)、『新世紀エヴァンゲリオン2』に続く3作目ということもあり、ソツ無くこなしているという感じ。
前2作では高い自由度がウリだったものの、あまりにも自由度が高すぎて荒唐無稽になってしまっていた感が否めないが、今作ではスッキリと纏められ、ゲームとして洗練されている。
但し、能力値アップに関してはかなりの作業ゲーっぷりを発揮しており、マゾゲーマーにしか耐えられない仕様になっているので注意。(救済措置として2周目以降に能力値データが反映される)



操作性

操作性は、まぁ良いという程度。可も無く不可も無く。マップを自由に闊歩できるゲームとしては、やや不満もある。
また、今回の舞台が冬の青森ということもあり、日常生活を送る学校マップ内にも積雪で通行できない部分があるのだが、通行可能な部分との境界が不明瞭で、慣れるまではかなり引っかかることになる。



ゲームバランス

ゲームバランスは総じて良いバランスである。
戦術パートに投入する友軍の規模を操作出来る為、ヌルゲーマーからコアユーザーまで幅広いプレイを可能としている。このシステムは、難易度調節としては画期的。
……最大の問題は日常生活パートで複数のキャラクターとの友好度を上昇させると嫉妬によるイベントが発生し、士気が低下する点。ある意味ではこちらの方が恐ろしい。



シナリオ

ガンパレードシリーズのセールスポイントの一つはその練りこまれた(?)世界観であり、今作でもその点は奈何なく発揮されている。前作に当たるGPMをプレイしていないと理解し難いネタも要所にあるが、まぁ、「こういうゲームか」程度に認識しておいた方がよいだろう。前作をやり込んだ人間でも、前作の世界観を完全に把握できたわけではない。
個々のキャラクターの性格設定にも好感が持てるが、残念ながらGPMほどキャッチ−ではなかった。この辺りが、GPOの低い評価に直結していることは想像に難くない。



グラフィック

ときめきメモリアル3』で話題になった三次元のバストアップ画像を採用するなど、随所に冒険的な要素も見られるが、全体的にグラフィックのレベルは良好である。
難を言えば、キャラクターそれぞれが特徴的なデザインとなっていない所為で、遠景からは判別がつきにくいという点であろう。



音楽

可もなく不可もなく。
連続プレイを前提としている割には耳に残りすぎる帰来があるので、次回作以降では改善が望まれる。



総合

中毒性の高い良策であると言える。幾つかの問題点を抱えているが、無視できる水準に留まっている。このゲームなら、「感性の合う」人間であれば、楽しく遊ぶことが出来るだろう。






ガンパレード・オーケストラ白の章 青森ペンギン伝説 (通常版)