邦人イラク人質事件
タイムリミットが迫っていますが、解決の糸口すら掴めていない、
というのが現状のようです。(誘拐の首謀者がザルカウィである時点
で、この難局は容易に想像できましたが)
これは決して政府の怠慢ではなく、正に「相手が悪かった」という
奴でしょう。彼らは、人質を解放する気など恐らくは毛頭ないのです
から。
ザルカウィは、しきりにアルカイダとの繋がりを強調しています。
それが実際にそうであるかは、私には判然としません。しかし、一つ
言えることは彼の目的意識とイラク国民の目的意識は大きく異なる、
ということです。
イラクの人々が困窮しているところにつけ込むザルカウィの遣り様
は決して許されるべきものではありません。前回の誘拐と異なるのは、
前回はある意味において営利誘拐という犯罪の一面も持っていたけれ
ども、今回は完全なるテロである、という点でしょう。お金等の何ら
かの代価でどうこう出来る問題ではない、というのが私の認識です。
ザルカウィが自ら関連を標榜しているアルカイーダは経済テロリスト
の側面も持ち、テロによって莫大な利益を挙げていたようです。そん
な彼らが、身代金のような形で支払われる小額の金に動かされるでし
ょうか? 今、日本の政府筋と接触すれば、確実に在イラク米軍の手
で捕捉されてしまうというのに、そこまで危ない橋を渡るでしょうか?
これ以上悲劇を拡大しない為にも、政府には然程多くはない選択肢
の中から、最善のものを選択して頂きたい。例えばそれが、イラクに
おいて「拉致すればテロリストが地元からの支持を失うほどに日本の
イラクにおける貢献をプロパガンダする」であるとか、「拉致する価
値がないほどに、被害者に危害を加えても日本国内が動揺しないとプ
ロパガンダする」であるとか、遣り様はあると思います。実行できる
か否かは、別として。