マンション強度偽装問題

実はここ数日真面目にニュースを見ていなかったので、備忘録的な意味でも整理を。


1、姉歯建築設計事務所が構造計算書を偽造
2、国から認可を受けた検査機関がスルー
3、実際に建てちゃって、しかももうかなり売れてる
4、建設元の木村建設が不渡り出して倒産
5、費用が莫大過ぎて、買戻しは無理っぽい


ちなみに上記はヒューザー販売分で、シノケン販売分は買取に応じるそうです。
まぁ、シノケンとヒューザーでは販売している戸数に大きな差があるので。


さて、この事件の背景には「マンションの価格競争」の問題があります。
バブル崩壊後も下がり続けた地価と、人々の都心回帰願望によって、都心部高級マンションの購入は鰻のぼりですが、モノがモノだけに高すぎると購買層が限られてしまう商品であるマンション。
となれば、売上を伸ばすには価格を抑えるしかありません。価格を抑える方法は幾つかあるでしょうが、最も簡単な方法は安全性を犠牲にすることです。
安全性を確保する為には、設計、材料、施工期間など、多くの部分で販売元はコストを支払う必要に迫られます。その部分を削ってしまえば、かなり安価に(それでも3000万円はするのでしょうが)マンションを販売できるようになるでしょう。
しかし購入者は「まさか新築のマンションは壊れない」という気持ちで買うのですから、詐欺みたいなものです。ああ、実に酷い話ですね。


ただ、今回の件で「責任問題」が言われていますけれども、「責任の所在」と「支払い能力の有無」は全く違う問題なわけです。どこが悪いといえば、構造計算書を偽造した姉歯建築士が絶対的に悪いわけで。でも、建築士が払える額じゃないですよ、50億。
公的資金導入、なんて軽軽しく言って欲しくはないし、本当に導入すべきかどうかは限りなく怪しいのだけれども、今の国土交通大臣なら投入するんだろうなぁ。