長野の善光寺・大勧進で僧侶らが労組(読売新聞)




 長野市善光寺の僧侶ら9人が、個人加盟できる労働組合に加入し、寺院内に独自の分会を結成した。分会は「今後、賃上げなどの交渉を行いたい」としている。
(中略)
 長野県一般労組の木継勇一書記長は、「僧侶は労働者とは思っていなかったが、相談を受けるうちに労働者であるとわかった」としている。「大勧進」側は、発足について「ノーコメント」としている。



何と申しますか、時代の移ろいを感じる事件ですね。
かつて社会主義或いは共産主義の強力な母体であった労組に、僧侶が加入するとは、想像だにしませんでした。
社会主義共産主義と宗教は水と油なのは皆さんご存知の通りですが、そもそもはかの有名なカール・マルクスが「宗教とは麻薬みたいなものだ」という言葉をどこかで書いたのがその原因とされています。マルクス自身は別に宗教を弾圧しろという意図で言ったわけではないはずなのですが。
ともあれ、今回の一件は日本の労組が既に変質してしまっているということの証明でしょう。もちろん、日本における社会主義共産主義の凋落は選挙速報で毎回これでもかというほどに喧伝されているのですが、「質的な変化」という意味では今回の一件は注目してもいいのではないでしょうか。
……しかし、仮にも仏門に帰依したものが現世での現金収入が少ないからといって、労組に入るのは如何なもんかと思いますがね。道義的に。