撃沈について

 国際法で認められた手順に則って撃沈すべしという言説も聞きますが、これは
 得策ではありません。かつて東郷平八郎は清国兵を満載した英国汽船を国際法
 則って撃沈し、その国際法知識を賞賛されたことがあります。そのことは、当時の
 日本にとっては、誇らしいことであったでしょう。
 しかし、今の日本にとって「国際法で認められている行為」を最大限に行うことは
 馬鹿げています。明治の日本は「国際法を遵守することで国際社会に認められる」
 ことを目的としていたのに対し、今の日本は「よりよい国際法を作るために動く」
 ことを目的とすべき立場にいます。その振る舞いは、常に自国の精神を体現する為に
 戦略的であることが必要であり、その一挙手一投足にまで細心の注意を払うべきです。
 その点を踏まえれば今回の件に限らず、「撃沈」といったオプションは現状では
 採るべきでは、ありません。