こういう言い方をすると不謹慎になりますが、まるで子どもの喧嘩ですな。
 実際にNHKが圧力を受けたかどうかは別として(多分受けたのだろうけれども)、
 全力で守りに入ったNHKの防御力を突破できるだけの論理性と証拠が朝日に無い
 時点で、この戦いは単なる水掛け(油掛け?)になっているわけですし。


 表現の自由を守る必要がある、というのは私も勿論同意します。
 同時に、マスメディア最高の権威であるNHKは常に最高度の配慮を伴って番組を
 作成しなければならない、とも思います。
 問題なのは、配慮すべき相手が自由民主党ではなく、国民であるということですが。


 番組内容が左右どちらに傾こうが、偏っていること自体が問題です。それが民放で
 あればそれも許されるでしょう。むしろ、許されなければならない。しかし、国営
 であるNHKにおいてそれは許されざることであると思います。
 NHKが流すべきは、「オピニオン」ではなく「インフォメーション」であることを
 国民が願っているからです。
 国民の血の受信料で成っているNHKがその期待に叛くことは許されません。


 朝日新聞社に関しては、もう少し冷静になるべきだと思います。
 もし相手が為していることが毒であると思っても、毒を以って制するべきではあり
 ません。
 実態がどうあれ、確かにNHKの公開質問状に書かれている点の内の幾つかは、
 不審なのですから。
 清廉でなければ悪を追求できないとは言いませんが、悪を追求する為に悪に堕する
 というのは、愚かしいことだと思います。




 NHKの朝の連続テレビ小説あぐり』では、野村萬斎演じる望月エイスケが、
 日に日に高まる日本の特高警察の言論弾圧を嘆いていました。
 今この時期に『あぐり』の再放送がされているというのは実によく出来た皮肉です。
 ……これから就職活動を行う身としては、就職活動前にあまり「大人」に幻滅する
 ような真似はして頂きたくない、というのが唯一無二の本音です。