大阪母娘殺傷 文化包丁の柄に布製粘着テープ 計画的か(毎日新聞)




大阪府堺市弁理士、沢喜代治さん(58)方で妻真喜子さん(51)と二女やす子さん(21)が若い男に殺傷された事件で、凶器とみられる文化包丁の柄には布製粘着テープが巻かれていたことが府警堺南署捜査本部の調べで分かった。事前に凶器を準備した計画的犯行とみられ、捜査本部は滑り止めなどの目的で細工した可能性があるとみて調べている。



大変痛ましい事件です。
亡くなった沢真喜子さんのご冥福と、怪我を負ったやす子さんの
一刻も早い回復を祈ります。


この事件に関して、警察OBのコメンテーターが
「物取りの線は薄いので、怨恨でしょうね」
といった風なコメントをしていました。


もちろん、今も昔も「物取りか怨恨」というのが殺傷事件の原因の大部分を占
めているんであろうことは、事実でしょう。
しかし、「物取りじゃないから、怨恨」という線で捜査するのはどうでしょうか。
動機を間違えば、捜査の方針も間違ってきます。
これだけ異常な犯罪が続いている現状で、物取りor怨恨という発想では、市民
の安全は守られないのではないでしょうか。



凶器とみられる文化包丁の柄には布製粘着テープが巻かれていたことが

という点から警察は計画的犯行について疑っているようです。
私も、その点については同意します。
ただし、「沢さん宅での凶行」を計画していたのではなく、「殺人」を計画して
いた、という意味でですが。


私もオタクの端くれですから、そのスジの人は銃撃戦の際に汗で銃のグリップ
が滑らないようにガムテープを巻くことがある、という程度の知識は持ってい
ます。これだけインターネットが普及している世の中で、「殺人」を計画してい
るのであれば、この程度の知識は易々と入手出来るでしょう。
つまり、最早「計画的である」ということは、異常者相手の捜査にはあまり役
に立たない世の中になっていると思うのです。


私は、何も「オタクを疑え」だとか、「異常者の犯行だ」と言っているわけでは
ありませんし、予防逮捕だとか、前科モノの個人情報を公開しろだとかを言う
つもりはありません。
しかし、捜査の方法を「物取りか、怨恨」で片付けられる時代はもう終わった、
と言いたいのです。


価値観が多様化した時代に前例主義的な捜査を続けることは、どうにも危うい
気がしてしまいます。